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Concert Report 演奏会レポート

伊東朔の「天才キッズ全員集合」出演で学んだことなど

直接にしばらくの時を過ごさせていただいた中丸雄一さんの和やかながら要点をしぼった取材と、番組制作のスタッフの方々の熱意と細心の配慮には本当に感謝をしています。

番組のなかでは、私の父である伊東朔から見て祖父のことや私のことにも触れていただきました。完全な隔世遺伝で、音楽についての伊東朔の才能は、戦中から音楽を好み戦後直後から音楽教育や音楽文化の普及に尽力した祖父の音楽的な力を受け継いだものだと私は受け止めています。

私も、たくさんの子どもや人たちといっしょに音楽活動をしてきました。素晴らしい子どもや大人の方々がたくさんいます。そういうなかで、伊東朔が生まれて音楽を始めてから、彼の発想や感性に驚かされて圧倒されるような日々を送っています。たとえば絶対音感は、両親ともになく、伊東朔が自然に身に着けていたものです。

作曲や編曲に関しても同様です。祖父は残念ながら伊東朔が生まれて間もなく亡くなりました。私も演奏活動が中心でそのための編曲はたくさんしてきていますが、作曲にじっくり取り組む時間までは持てませんでした。

そういうこともあって、伊東朔の作曲は、本人が自主的に始めたもので、聴いた曲を自分なりに編曲して楽しむのも、本人の遊び心から生まれたものです。私は、クラシックに限らずいろんな作曲作品にできるだけ触れさせるようにしたぐらいです。作曲の先生にも伊東朔はついていましたが、本人の自主性や自発性を尊重されて、自由に作曲を楽しめるような指導方針でいらっしゃいました。

今回の「天才キッズ」の番組から与えられたテーマによる編曲も、全部、伊東朔本人がやっています。私はときおり聴いたものへの感想を述べていただけです。それでも、暖かくて優しい音楽の好きな伊東朔の本来の目指すものをいくらかジャマしてしまったような気もしています。

ただし、編曲や作曲で多くの方々に楽しんでいただくためには、注文されることに対応する力も必要だと思いますので、「こうだったらいいかも知れない」というようなことは遠慮しないで言うようにしています。答えはいつも伊東朔自身が出します。

本心を言えば、私自身は、伊東朔が作曲や編曲したものをそのまま聴いているときが一番楽しいし、私はよいと思うのです。けれども、他の人が聴いたらどう思うだろうか、というようなことを考えてしまうと、あれこれと思ってしまいます。

テレビという不特定多数の方々に聴いていただく機会を得て、ほんの一部だとは思いますが、ご感想をいただいたり目にしたりさせていただいています。伊東朔本来のものの方がよかったのかな、とか、やはり変化をつけてよかったのかな、とか、いろいろと思います。

編曲や作曲をして、それを自分で演奏するとなると、伊東朔もいろいろと考えところもあるようです。それはそれで、音楽は自作自演が基本だと思いますので、これからもどしどしとやってもらいたいと考えています。

伊東朔は、まだまだこれから自分の世界を広げるだろうと思います。その一方で、ご注文に合わせた編曲や作曲もたくさん経験したいと考えているようです。

作曲や編曲を、ルタンリッシュコンセールにご依頼いただくときに、特にご要望がございましたら、「伊東朔のもの」などと指定くださいますとそのようにいたします。通常は親子やスタッフと相談しながら、ご依頼に応じています。

久保田信先生の「世界の動物40門」シリーズ5に取り上げていただいた曲目は、作詞は久保田信先生ご本人ですが、それ以外の、作曲、編曲、演奏はすべて伊東朔が一人でやっています。オーケストレーションも最初に聴いたときに驚いた私は、何も言うことがありませんでした。

幼い頃から作曲をしている伊東朔は、ずっと、「どうせ親や家族が手伝っているのだろう」というようなことを言われてきています。私や祖父がまったく音楽活動とは無縁だったらそんなことを言われないのに、といつもかわいそうに思います。

今回のテレビ番組のための編曲は、伊東朔は楽しみながらも、傍目で見ていても本当に大変がんばっていて、何度も考え込んでいました。「対決」なので、余計にいろんなことを考えすぎたのかも知れません。でもそれも貴重な経験です。

長くなりましたが、そんな伊東朔が中丸雄一と過ごした時間に、中丸さんの易しさにうまく導かれて彼の本来の姿を素直に出していたのがとても印象的でした。中丸さんの飾らないお人柄が、伊東朔に素直に音楽することの喜びを引き出してくださったことにあらためて感謝いたします。

あれこれと書きましたが、良い経験をさせていただいた伊東朔と、ついでに私、に、編曲や作曲のご依頼をいただければ幸いです。今回のテレビの経験は、私たちをさらに、しなやかな音楽制作への道を拓いていただいたと思っています。

 

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